『The Tomorrow Children(トゥモロー チルドレン)』とはその一貫した世界観とビジュアルに一目惚れしたゲームであり、めずらしくベータテストに当たった思い出のゲームでもあります。
2016年9月にF2Pとしてリリースされ翌年17年11月にサービス終了という1年ちょっとの短い期間でしたが、刺さる人には確実に刺さるインパクトを残して今Q-Games のツイッターを覗くと当時のプレイヤーのアツい思いの込められたリツイートを確認できます。みんなやり込んでんな!
僕自身の感想としては5年も前のゲームなので曖昧なところもありますが、とにかく他に類のない世界観と作り込まれたアートスタイルが新鮮で本当に楽しい社会主義体験でした。
ただ、物資を採って町を発展させるルーチンは単純でコンセプトとしてそうなるのは当然なのですが、もう少し刺激的な要素があってもいいなとも思いました。みんなで怪獣を撃退するのはめちゃくちゃ楽しかったので。
今年の9月にリリース5周年記念としてこのゲームのディレクターであるディラン・カスバートさんが、ゲームをプレイしながらユーザーからの色々な質問に答えてくれる動画がアップされています。いくつか興味深いコメントがあったので一部文字に起こしてみました。引用元のYouTubeも発言箇所から再生されるのでゲームに興味を持った人や懐かしい人は視聴をおすすめします。
同じ非同期の協力プレイとして『デス・ストランディング』についてよく言及されているのも面白いです。
ゲームのテーマとアートスタイルについて
「全体のテーマは「鉄のカーテン」なんだ。当時、鉄のカーテンの向こう側にあったチェコ共和国の人形文化に注目したんです」「説明しておくと、このゲームは1967年の現実の一部分を舞台にしています」「つまり、1967年に世界を滅ぼすような出来事があって、そこから分岐した近未来の設定です」「すべてがボイドになり、古いソビエトの社会が再構築しているんです」「そう、ネオ・マルクス主義の社会のようなもの」
「私たちは、アーティストをチェコに派遣して、顔の彫り方を学びました。だから彼女の顔は、まるで木彫りのような感じなんです」「私たちは、東欧の雰囲気を出すために努力しました。これは私たちが望んでいた雰囲気です」「チェコの人形文化は本当にお勧めです」
【独占】サービス終了したタイトルがプレイ映像で蘇る!オンラインゲーム『The Tomorrow Children』を開発チームがプレイ/Exclusive: Revisit TTC – YouTube (11:35)
「1967年に世界を滅ぼすような出来事」というのは、当時アメリカで軍のレーダーが磁気嵐によって故障しそれをソ連の妨害と勘違いして戦争になりかけたことかと思われます。つまり『トゥモロー チルドレン』はそのとき勃発したかもしれない第三次世界大戦以降のお話ということですね。
そしてあの可愛いけれどどこか迫力のある独特の佇まいを持ったキャラクターはチェコの人形が元になっていたとは。実際にチェコまで行って学んだというこだわりと作り込み凄すぎる。
続編について
「フリーマン・ランドをベースにした続編を作りたいと思っています」「これはソ連側の話ですが、フリーマン・ランド、つまり西側では何が起こっているのか?それがわかったら面白いですよね」
【独占】サービス終了したタイトルがプレイ映像で蘇る!オンラインゲーム『The Tomorrow Children』を開発チームがプレイ/Exclusive: Revisit TTC – YouTube (14:02)
「アメリカのディープサウス、つまりバイブルベルトのように、人間ではなくロボットが登場するかもしれない」「ボイドで形成された奇妙な宗教にみんな従っているのかもしれませんね」
一瞬『Fallout』が頭をよぎりました。 Fallout meets Tomorrow Children.
このゲームはまた遊べるの?
「すべては私たちが考えたものですが、今はIPがソニーにあります」「もしIPを取り戻すことができたら、サーバーを使わずに再発売する方法をぜひ考えたいと思います」「問題だったのはサーバーのランニングコストでした。もしそれがなかったら、たぶんそのままプレイし続けられたんじゃないかな」「もしかしたら、IPを取り戻して、そこから何をすべきかを考えられるかもしれません」
【独占】サービス終了したタイトルがプレイ映像で蘇る!オンラインゲーム『The Tomorrow Children』を開発チームがプレイ/Exclusive: Revisit TTC – YouTube (23:11)
今回の発表につながるコメントが出てきましたが、F2Pに限らずサーバーの運用費がネックとなりサービスが終了するのはよく聞く話です。この発言の通りサーバーを使わない『The Tomorrow Children』が実現するならば、終わることのない社会主義体験も実現することになりますね。
最後にこのゲームのディレクターでありながらQ-Gamesの創始者でもあるディラン・カスバートさんのキレのあるお言葉を。
『The Tomorrow Children』のファンの皆さんにまず感謝したいと思います。ファンの皆さんの声援が大きな後押しとなりました。私たちのファンは、世界で最も素晴らしいゲーマーであり、この4年の間、ずっと夢を持ち続けてくれました。今回の決定により、ファンの皆さんが世界滅亡後のネオ・ソビエト連邦の狂った世界に再び足を踏み入れることを考えると、とても嬉しいです。
The Tomorrow Children (PP) – Q-Games
これはどう見ても上坂すみれさんの案件なので、実際にプレイしていただき宣伝部長になっていただくのがピッタリかと思うのですが、Q-Gamesのプロモーション担当の方どうでしょう??
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