法廷バトルアドベンチャーという新ジャンルを築き上げた『逆転裁判』シリーズの『4』『5』『6』がついに『逆転裁判456 王泥喜セレクション』として発売されることになりました。
先に『逆転裁判123 成歩堂セレクション』は3DSからリリースされ、HDリマスター版が移植までされて、『4』以降はスルーされてるようで切なかったのですが、ようやくまとめて発売されることになります。長かった。
そこで、興味はあるけど『逆転裁判4』が “イマイチ” という評価を耳にしたことがある人に向けて、

実際どんなもんなのか?ということについて今回は投稿したいと思います。
『逆転裁判4』とは
前作まで主人公だった成歩堂龍一から、王泥喜法介(おどろき ほうすけ)に主役を交代して始まった新シリーズで、今までなかった新しい要素も色々と導入されました。
ひとめ見たら忘れない個性的なキャラクターが今作でもたくさん登場するのですが、その中でも成歩堂龍一は変わり果てた姿で王泥喜法介の前に現れます。
成歩堂がなぜそのような姿に身を落としたのか、新米弁護士の王泥喜法介がその核心へ迫ることになります。
“評価”の分かれ方
『逆転裁判123』で主人公 成歩堂龍一の成長物語が大団円で完結し、『逆転裁判4』の発売当時はその続編として期待値もマシマシの状態。そこに主役が交代し、変貌した元主人公の姿を目の当たりにすれば、温度差に風邪を引いちゃう人が続出しても不思議はないでしょう。ぼくも引きました。
『逆転裁判5』『6』が後につづくことはそのとき知るよしもなく。『逆転裁判』はこれで終わってよいのか?とシリーズファンの気持ちをくめば、評価が下がってしまうのも致し方なし。今回続編もセットなので、成歩堂くんがしっかりフォローされているのが確認できます。
逆にシリーズで『4』が初見という人には、前作と比べようがないため温度差もなく、評判も良かったりするのがポイントです。
いまプレイしてみると
今回の発売を期に『逆転裁判4』をあらためてやり直してみたんですが、「それほどイマイチではないかもしれない」と当時とは違う感想を抱きました。というのも、たぶん前作までの印象と記憶が薄れ、初見のような心持ちでプレイできたからだと思います。
ひとつのアドベンチャーゲームとして見たときに、作り込まれた独自のシステム、個性の強いキャラクター、抜群に盛り上がる音楽など、同ジャンルのなかでは革新的な要素が多く、似たシステムを持ったフォロワーゲームを生み出すほどで、及第点を超えているのは間違いありません。『4』が初見という人に評価が高いのも、この辺りに理由があると思います。
プレイするタイミングをはかる
そこで提案したいのは『逆転裁判4』をプレイするタイミングをはかること。
- 『逆転裁判』未プレイで順にプレイすることにこだわりがない人
- 『逆転裁判123』をプレイしたけど内容をよく覚えてない人(俺)
以上の人は機は熟しています。『逆転裁判4』の食べごろは今。弁護士バッチを付ける絶好のタイミングです。
逆についさっき『逆転裁判123』をクリアした人は、世界観があからさまに異なるホラーゲームなどジャンルの違うゲームを間に挟んで、しばらく寝かせましょう。クリアに時間がかかるボリューミーなRPGもおすすめです。
“巧舟シナリオ”の旨味
もう少し踏み込んで『逆転裁判4』の感想を述べるならば、シナリオを担当した巧舟氏によって紡がれる、たった2行しか収まらないテキストウィンドウで表現されるセリフ回しと、キャラクター同士の会話における軽妙なテンポは他では味わえない旨味があります。
相棒の みぬきちゃん と事件現場を調べるときのかけ合いは楽しく、読み漏らさぬよう画面で調べることのできるオブジェクトは隅々まで調査せずにはいられません。そして最終話に到達したとき、第1話からの伏線が串刺しのように ズップシ とつながる快感はなかなかのもの。
『逆転裁判5』『6』ではシナリオに関わっていませんが、成歩堂龍一の先祖が主人公となる舞台を明治時代に移した『大逆転裁判1&2』で再び担当しているので、じぶんと同じくタクシュー(巧舟)節の妙味に当てられた人は、そちらもプレイしてみることをおすすめします。


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