人間生きていれば、処分したいHDD(ハードディスクドライブ)の1つや2つあるはずです。
ぼくは 4つ あります。

HDDを分解する理由
4つのHDDの出自はいろいろで、古いパソコンから抜き出したものや、外付けの保存用だったものなど。今と比べて容量が少なすぎたり、そもそも動かなかったりと、どれも役目を終えたHDDたちです。処分したいと思いつつも面倒だなとグズグズしていたら、溜まってしまいました。
面倒な一番の理由としてはデータの消去。
専門の業者さんもあるみたいですが、やり取りも手間で費用もかかります。読み込めないHDDはデータ消去用のアプリも使えないので、どんどん億劫になっていくのがよろしくありません。
個人でやれることで、わかりやすく消去する方法はないもんかと考えたとき、しょせん処分するならばバラバラにして部品単位に分解すれば、それは燃えないゴミの集まりであり、データも消去したことにもなるのでは?と思った次第です。
あと、HDDを一度分解してみたかったというのもあります。
ダイソーでトルクスドライバーを手に入れる
HDDにはトルクスネジというネジが使われていて、分解するのには6つ角がある星形のトルクスドライバーが必要です。そしてこれがダイソーで買えました。それがこちら。

『差し替え精密ドライバー 10 in 1』税込み220円。
トルクスネジ用は T8、T7、T6 の3種類。あとはプラス3つとマイナス4つ、計10本が差し替え用として入ってます。

これをドライバーの先端に差し込むわけですね。

ちなみにこのドライバーは店舗によって置いてないところもあるみたいで。商品自体は前からあったようですが、じぶんの最寄りのダイソーなんかは以前からチェックしてましたが見つからず、最近になって入荷したという経緯があります。今回分解に踏み切ったのも、このドライバーが手に入ったのが大きいですね。
HDDの分解手順
- T8 をドライバーにセットして、HDDの外側にあるネジ(写真赤丸)をはずします。ラベルシールの下にも隠れてるので忘れずはずしましょう。表面を指でなぞると、くぼむ所があると思います。
- カバーのネジをすべて取ったらマイナスネジ用に付け替えて、側面の隙間に入れ込み クイックイッ とテコの原理でカバーを押し上げます。
- カバーを取りはずしてご開帳です。
- 銀色の円盤ことプラッタを固定しているネジ(写真赤丸)をはずします。この部分のネジサイズはメーカーによってバラバラで、だいたい T7 でしたが T6 や T8 もありました。
ネジが固いとプラッタを手で押さえることがあるかもしれませんが、プラッタはガラス製のものもあって割れる危険性があるので、力加減は注意した方がよいでしょう。 - ネジを取ったらプラッタを固定していたリングをはずしてHDケースを裏返せば、プラッタは スルッ と抜け落ちると思います。
- あとは裏側の基盤のネジ(写真赤丸)など、目につくネジはどんどんはずしていきます。
- 磁気ヘッドの根本の部分は、磁石でもくっついているので、ネジをはずしても取れないときは、またテコの原理で クイッ とやってみましょう。
- ここまでバラバラにすれば、不燃物の集まりに見えるはず。
4つのHDDすべて分解したところ、メーカーによってパーツの形やネジの種類など違う部分はありましたが、基本的な作りはほぼ同じなので「とりあえずネジをはずす!」の勢いでだいたい分解できると思います。
HDDのデータを消去する(物理)
バラバラにしたとはいえ、データが記憶されているプラッタ部分をそのままゴミに出すのは心もとない。そこで繊細そうなこの円盤に物理的に力を加えることにします。
ここで注意したいのはさっき少し書いたとおり、プラッタの素材はアルミニウムやセラミックの他にガラス製もあること。ハンマーなんかで強い衝撃を与えてガラス製だった場合、破片が飛び散り非常に危険です。さらに見た目から区別がつかないのが悩ましいところ。鏡みたいでキレイですが。
そこでガラス製だった場合も考慮して、破片が飛びちらぬように新聞紙で包み、さらにビニール袋に入れます。

そして、ペンチで端をつかんで片方を少し浮かし、その上からハンマーで叩いてみることにしました。床が頑丈でベランダなど広い場所でやるのがよいと思います。

叩いて割れたならビニールの口をそのまま結べばゴミ出しもスムーズ。割れなければもう片方もペンチでつかみ、両端から「ふんぬっ!!」と力を入れて曲げます。

グニャリといくかと思ったら予想以上に固く、想像の1割くらいしか曲がりませんでした。……非力。

曲がり具合にいまひとつ納得がいかないため、サンドペーパーで仕上げとして磨くことにしました。

これで完成!(?)

分解してみるのもおすすめ
こうしてバラバラになったHDDは、うちの自治体の分別判定により「燃えないゴミ」として、無事に引き取られて行きました。プラッタ部分だけ別の日にゴミ出しするなど、セキュリティレベルも上げています。 いや、上がってないかもしれないけど気分です。
ダイソーでドライバーが手に入りお手軽なので、もし処分したいHDDがあるならば一度挑戦してみるのもアリかと思います。作業は手間かもしれませんが、自分みずから物理的にデータを消去(破壊)しているため、納得感が違います。ただ、少々荒業な部分もあるので、怪我にはくれぐれも気をつけて。
あと、今回はじめてこの目で生プラッタを見たんですが、鏡のように映り込んで美しく、HDDが精巧にできた技術の結晶であることを実感できました。いつもお世話になりながら、見たことのなかった姿を目の当たりにして、けっこう驚きましたね。
まあ、ぜんぶ捨てちゃったんですけど。
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