いまはゲームプレイの一部にチュートリアルが組み込まれていて、ゲームの「説明書」というものが必要になる場面はほとんどなくなりました。パッケージで買ってもディスクしか入っていないことも多く、ネットを通じて日々アップデートされてゲーム内容も変わっていくので、印刷された紙による説明書の出番はもはやなくなったと言ってもよいでしょう。
そんな見かける機会も大きく減った説明書ですが、先日フロム・ソフトウェアのサイトをみていたとき、「製品情報」が年表形式でまとめられているのが面白く、年代をさかのぼって懐かしんでいたら「取扱説明書一覧」というページにたどりつき、そこに紙の説明書が公開されていることを発見して大いに驚きました。
「紙の説明書」時代のゲームが主食の人への福音
インターネットもない古(いにしえ)の時代のゲームのソフトを入手しようとするとき、ほぼ中古に頼ることになるのですが「※説明書なし」の注意書きを目にすることは結構あると思います。そんなとき、フロム・ソフトウェアのゲームに関しては迷わず購入しても問題なしといってよいでしょう。感謝しかありません。
説明書には操作方法やゲームルールの他に、本編では語られないバックストーリーなど、ゲームを補完する設定が書かれていることも多いので、腰をすえて読んでみると独立した読み物としてもなかなか面白いんですよ。
例えば、先日10年ぶりの新作がリリースされた『アーマードコア』第1作目の説明書(PDF:9.3MB)の3ページ目には「STORY」や「設定資料」と題して解説が載っていて、世界観の作り込みに定評があるフロム・ソフトウェアならではの、ゲームに奥行きを与える読み応えのあるものになっています。
『アーマード・コア』初期3部作が、PS Plusクラシックスカタログで2025年3月18日から配信されているので、はじめて触れる人や昔すぎて忘れた人もこの説明書はだいぶ助かるかと思います。公式にも案内されてますね。
PDFなのでスマホにダウンロードしておけば、いつでも見ることができるのも発売当時は考えもしなかった便利なところです。
硬派なゲーム会社の意外な一面
公開されてる説明書の中には紙のヨレやシワも映っていたりするので、DTPデータをそのままPDF化したのではなく、人の手によって1ページづつスキャンしたと思われるものもあって、温もりすら感じるそのマメさに好感が持てます。
また、プレイヤーを確実に仕留めにくる「死にゲー」デベロッパーの印象が強いですが、過去作の一覧を見ると『ロンQ!ハイランド in DS プープー星人現る!!出ケツ大サービス!おならの祭典SP』など、そのイメージからほど遠いタイアップゲームを世に出していたり、「製品情報」の年表も色んな発見があって一読の価値がありますよ。
『ハローキティのおしゃれパーティー サンリオキャラクターずかんDS』とか、絶対に「初見殺し」はなさそうじゃないですか。
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