Nintendo Direct 9.12 で バーチャルボーイ が姿を現した瞬間は、ゲーマー同士のジェネレーションギャップが過去イチ見える化した瞬間だったと思います。じぶんは口にふくんでいた麦茶を吹き出しそうになりました。
そこで今回は、バーチャルボーイが初登場した当時をふり返りつつ、再び帰ってきた理由と、Switch2のありえそうな未来について予想してみたいと思います。
ま、ひらたく言うと妄想です。
2026年のバーチャルボーイをおさらいする
あらためて復刻されるバーチャルボーイは『バーチャルボーイ Nintendo Classics』をプレイするためのハードで、任天堂のサブスクこと Nintendo Switch Online + 追加パック に加入していると遊ぶことができます。
YouTube動画の使い方をみると Switch の周辺機器のようですが、詳細ページにはあくまで “専用ハード” と明記されているところに本気を感じますね。

本体の価格は税込9980円。ソフト配信日の2026年2月17日の前日16日には届くように発送されるようです。

見た目ほぼ忠実に発売当時を再現できたのは、バーチャルボーイの設計書や金型が大切に保管されていたからに違いなく、任天堂の物持ちの良さもうかがえます。なおかつ Switch の本体部分を差し込んだり、コントローラーを Joy-Con にすげ替えたりと、所々つくり変えているのでコストは結構かかってそう。
中古のバーチャルボーイは大きい店舗にでも行かないと、なかなかお目にかかれないレトロハードでソフトも希少なため、両方まとめて手中に収めることができるのはレトロゲーム好きにとって朗報だと思います。Switch や Switch2 を持っていてサブスクに入っていれば、ゲームハードを実質2台所有していると言っても過言ではありません。
1995年のバーチャルボーイをふり返る
若い人には変な赤いメガネに見えたかもしれませんが、バーチャルボーイはさかのぼること30年前の 1995年 に任天堂から発売された、ゲームが飛びだして見える画期的なハードだったんです。
この特徴的な形になったのは、立体に見せるため左右の目に別々の映像を見せる必要があるためで、テレビにゲーム機をつないで映すのではなく、両目でのぞく専用ディスプレイが採用されました。
日本での売上台数は 14万台 と、任天堂ハードの中でイマイチ売れなかったと言われたゲームキューブ(404万台)やWiiU(334万台)と比べても、ぶっちぎりで少ない記録を保持しています。
当時はプレイステーションやセガサターンが肩を並べ、3Dは ポリゴン の方が取りざたされた時代に、このコンセプトは明らかに方向性が違います。そして1996年にはその任天堂から NINTENDO 64 が発売されるので、ゲームハードの歴史に一瞬浮かんだ泡沫(うたかた)のような存在だったわけです。
そんなバーチャルボーイが 2026年 に復活するとの報を聞けば「酔狂すぎる!」と麦茶を吹き出しても許されると思います。
任天堂の3Dの歴史
実績はかんばしくないバーチャルボーイですが、任天堂の3Dゲーム史のはじまりを作った 始祖 であることは間違いなく、後に2500万台以上を売り上げたニンテンドー3DSの祖先といってよいでしょう。
3DSの 裸眼立体視 を体験したときは、特殊なメガネでしか3D表現はできないと思い込んでいたバーチャルボーイを知る世代からすると「なにが起きてるの!?」と不思議でならず、変な笑いがもれたのを覚えています。そして3Dにこだわり続ける任天堂の執念を感じました。
任天堂から世に出た3Dゲーム機は バーチャルボーイ と ニンテンドー3DS の2つだけですが、実はこのハードの間にも思考錯誤がくり返されていたことが「社長が訊く『ニンテンドー3DS』」で語られています。
岩田 たとえば、ニンテンドー3DSで採用している、「メガネを使わずに立体映像が見える」画面のサンプルは、ゲームボーイアドバンスSPで動いてたんですよ。
(中略)
岩田 それから、もう少し古い話で、ゲームキューブって、じつは3D対応の回路が入ってたんですよ。
社長が訊く『ニンテンドー3DS』|ニンテンドー3DS|任天堂
技術やコストの面で最終的に見送られたようですが、2001年発売のゲームキューブの時点で、すでに3D技術が仕込まれていたのは驚愕です。ゲームボーイアドバンスSPは二つ折りのパカッと開くタイプの携帯機だったので、3DSのプロトタイプにも見えますね。
バーチャルボーイが帰ってきた理由
任天堂のここ最近の動向を見ると、2024年にニンテンドー3DSのオンラインサービスが終了して、3Dゲームは幕を閉じたように見えました。
その翌年に Switch2 が発売され、このタイミングで始祖であるバーチャルボーイが帰ってくるということは、俺たち(任天堂)は3Dゲームを辞めたわけじゃないんだぜと宣言しているように見えるんですよ。
もしかすると Switch2 にはゲームキューブのときのように、3D対応の回路が仕込まれている可能性は十分ありえます。
とくに気になっているのは、周辺機器のひとつ USBカメラ 。低年齢層のユーザーも多く、プライバシーには割と敏感な任天堂から USBカメラ が登場したのは意外だったんですが、これに搭載されている広角レンズと高感度イメージセンサーは、何かの布石ではないかと妄想が止まりません。
初代 Switch はアップデートで様々な機能が追加されていったので、Switch2 もあっと驚く隠し玉があってもおかしくないと思います。
そんなアツい期待を持ちながら、Switch2まだ買えてないんですが……。
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