『デッドプール3』が鋭意制作中であることは知っていましたが、爪のミュータントことウルヴァリンが登場してしかもヒュー・ジャックマンが続投するらしいとの噂を聞きつけて、一体どんな告知かと見てみたらあまりにもカジュアル過ぎて笑ってしまいました。
ウルヴァリン続投になんでそんな驚くの?
ヒュー・ジャックマンは2017年公開された老いた姿となった『ローガン』を最後にウルヴァリンの役を離れることを公表していたんですね。その後『X-MEN』『デッドプール』を製作した20世紀フォックスはディズニーに買収され、マーベルのヒーローが全てディズニー傘下に集うことになったので今後マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)としてX-MENが撮影されるとするならば、ウルヴァリンは誰が演じることになるのか?という問題が起きてくるわけです。
「だけど(『LOGAN/ローガン』で)グループを離れるべきだと思っていました。僕自身だけじゃなく、キャラクターにとってもそれがふさわしいと。だから、まるで家に帰ってる途中に友達から電話がかかってきて、“新しいDJが来てさ、音が最高なんだよね。戻ってこない?”って言われてるような感じ。確かに良さそうだけど、それはできないんだ、って。」
『X-MEN』ヒュー・ジャックマン、ウルヴァリン役でのMCU登場「もしも7年前に叶っていたら…」 | THE RIVER(2020.4.19)
『X-MEN』シリーズが始まってからスピンオフも含めてヒュー・ジャックマンがずっと演じ続けてきたため「ウルヴァリンといえばこの人!」という刷り込みはバッチリされていたので、役者としてイメージが付き過ぎるのを避けてのことなのかなと思ったりもしました。とはいえ『レ・ミゼラブル』や『グレイテスト・ショーマン』でとんでもない歌唱力を披露して違うジャンルでも活躍する姿をみれば、ウルヴァリンだってまだまだいけるのではないかと思ったファンは自分含めて多かったと思います。
一方、デッドプール役のライアン・レイノルズは何と言おうと全くそんなことは気にしてなかったようで、
再演をきっぱりと否定したヒューは、彼が再びウルヴァリンを演じることを強く望んできたある人物に向けてもメッセージを残している。『デッドプール』シリーズで知られるライアン・レイノルズだ。「ライアンにも伝えておいてください。彼は何も信じようとしないんです」と困り顔のヒュー。ホストに向けて「彼は僕がジョークを言ってると思っているので」と話した。
ヒュー・ジャックマン、マルチバースでのウルヴァリン役再演を否定 ─ 「もう終わったんです」 | THE RIVER(2021.8.11)
空気を読まないライアン氏。もしかしたら今回の出演は裏で熱烈にオファーしまくって口説き落とした結果なのではないかという気がしてきます。
不意をつく一瞬の告知
そんな多くのファンや俳優の思いが一気にひるがえった告知なので、どんなド派手な内容かと当然期待も高まります。
ソファに座りデッドプールの次回作にいかに注力しているかを語るライアン・レイノルズ。ただ、良いアイデアが浮かんでこないと嘆く0:35あたりのシーンから、
Ryan Reynolds:
I have nothing.
Yeah…
Just…
completely…
empty up here.
And terrifying
But we did have one idea.
(でも、ひとつだけアイデアがあるんだ)
Hey, Hugh,
you want to play Wolverine one more time?
(なあ、ヒュー、もう一回ウルヴァリンを演じたくないかい?)Hugh Jackman:
Yeah, sure, Ryan.
(ああ、そうだね、ライアン)
ヒュー・ジャックマンはほんの一瞬後ろを横切るだけで、なんなら顔すらもよく見えずにすぐ階段を登って退場してしまうという日常会話レベルで行われる重大告知。
突然流れるホイットニー・ヒューストン
ライアン・レイノルズの眉毛の動きとともにホイットニー・ヒューストンの「エンダー♪」こと「I Will Always Love You」が流れますが、字幕をよく見ると
♪And I~♪
♪Will always love Hugh♪
♪I will always love ♪
♪Hugh ♪
love you がすべて love Hugh(Jackman)になってる!
これはやはりライアン氏の熱烈な「オファーを受けてくれてありがとう!」という意味が込められている気がしてなりません。
重要な映画になる予感
とまあ楽しい仕掛け満載の告知で緊張感は伝わってこない内容でしたが、『デッドプール3』は今まで20世紀フォックスのマーベルキャラクターをMCUに合流させるきっかけとして、今後の展開のプロローグ的役割を担う作品になるのではないかと思います。
またディズニーが20世紀フォックスを買収したときのこと、ライアン・レイノルズが『デッドプール3』のプロットについてツイートしています。
特に後半のこの部分
Deadpool 3 was gonna be a road trip between Deadpool and Logan. Rashomon style. For real.
(デッドプール3はデッドプールとローガンの羅生門のようなロードトリップになるはずだった)
「ロードトリップ」と言ってるので車に乗ったデッドプールやウルヴァリンが旅をするロードムービーになり、それが黒澤明の「羅生門スタイル」で撮影されるという映画、めちゃくちゃ観たいですね。
脚本家は他に決定していますが監修としてライアン・レイノルズも参加しているのでウルヴァリンの参加が正式決定した今、もしかしたらこのプロットは生きてる可能性あります!
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