このさき一生遊べなくなるのではないかというゲームを見ると、取り立てて得意なジャンルでもないくせに手元に置きたくなり、永遠に手が届かなくなる喪失感に耐えられなくて遊ぶかどうかは二の次でついつい食指が動いてしまうことがよくあります。
そういう趣味嗜好の持ち主なので終了を控えたニンテンドーeショップに並ぶソフトを眺めていると、消え入りそうなゲームソフトたちの声が聞こえるような気がするのは至極当然のこと。(幻聴)
そこで今回は、バーチャルコンソールでリマスターやリメイクの可能性が低そうな気になっているソフトについてメーカー別に考えてみました。
アトラス編
『魔神転生』シリーズ
女神転生として初めてシミュレーションRPGが採用されたシリーズ。ファイアーエンブレムに代表されるこのジャンルがカリカリに好きな人からすれば粗さは目立つかもしれないけれど、シリーズファンからみると世界観や雰囲気はそのままに3DダンジョンRPGでは描かれなかった悪魔を仲間(魔)にして共に戦う姿がビジュアルとして表現されたのはかなり新鮮でした。
同じシミュレーションRPGとしてはニンテンドーDSから2009年に発売された『女神異聞録デビルサバイバー』の方が今では知名度も高く3DSで一度リメイクされたりもしているので、今後はこっちのシリーズの方がリマスターやさらには続編の可能性も高い気はします。『デビルサバイバー』の好評なエッセンスを逆輸入してリメイクしてくれたりしないかなー、という淡い期待は今でもあります。
コナミ編
『がんばれゴエモン』シリーズ
コナミの看板タイトルだったはずが、ニンテンドーDSで2005年に発売された『がんばれゴエモン ~東海道中 大江戸天狗り返しの巻~』から新作の音沙汰はまったく無く、30周年であるはずの2016年には何もないまま何故か翌年2017年になってサントラのみが発売され、「コナミグループ創業50周年」と銘打った2019年のアニバーサリーコレクションの選にも漏れて、会社的に完全に過去のゲームと扱われているようにしか見えません。そもそも開発に関わった人たちが社内にもういないという話も聞くので、続編はおろかリメイクやリマスターも絶望的だと思われます。
- がんばれゴエモン!からくり道中 Wii U版 / 3DS版
- がんばれゴエモン2 Wii U版 / 3DS版
- がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル Wii U版 / 3DS版
外伝シリーズはアクションではなくRPG。 - がんばれゴエモン外伝2 天下の財宝 Wii U版(※3DSでの配信は無し)
- がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻 Wii U版 / 3DS版
- がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス Wii U版 / 3DS版
この回から「ゴエモンインパクト」という巨大ロボットが登場。2人同時プレイも楽しいのでお子さんのいるご家庭では親子でプレイするのをおすすめしたい。ちなみにハードの機能上2人プレイできるのはWii U版のみ。 - がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め Wii U版 / 3DS版
AXELAY(アクスレイ)
スーパーファミコンで表現できる描画機能を存分に活かしたシューティングゲーム。『沙羅曼蛇』のように縦・横両方向のステージが展開される。続編もなく数あるコナミシューティングゲームの特異点のような存在、と勝手に思っている。出撃前に装備を選択したあとはゲーム中にパワーアップアイテムが一切登場しないのも潔い。
スクエア・エニックス編
バハムート ラグーン
空に浮かぶ島々を舞台に人がドラゴンを従えて戦うシミュレーションRPG。プレイステーションがすでに世に出ていた1996年というスーパーファミコン後期に発売されたこともあってかなり美麗なグラフィック。ドラゴンに色んなエサを与え飼育することで特性が変わるという育成要素もあり、育てたドラゴンは戦闘中に大まかな指示しか出せない歯がゆさが”飼いドラゴン”ぽくて個人的には好きなところ。
ただ、登場するキャラクターがとにかく濃い。そういう濃いキャラクター同士の会話や関係性は当然クセが強くなるため、「バハムート」というファイナルファンタジーで有名な召喚獣の名が入ったタイトルから王道ファンタジー路線だと思って買った人は当時かなり面食らったハズ。
とくに、主人公(♂)に恋心をいだく老人(♂)の発言は今のご時世なかなかデリケートな部分に属すると思うので、そのまま発売するのは厳しいのではないかというのが一番の理由です。ちなみにシナリオを担当したのは鳥山求氏。
ルドラの秘宝
4000年周期で「ルドラ」により滅ぼされる世界で、残り16日で4000年目といういきなり切羽つまった状況から始まるストーリーがまずツカミとしていい。魔法は「言霊(ことだま)」と呼ばれる最大6文字を一定のルールのもとプレイヤーが入力して自作することができるシステムで、必ず何かしらの効果をもった魔法ができるため法則性を探りながら思わぬ魔法が作れたりするのも面白く、ゲーム序盤から作成できることもあってストーリーの進捗がおろそかになることも。『バハムート ラグーン』と同じ年に発売されたソフトでもあり、こちらもグラフィックの作り込みがすばらしい。
キャラクターデザインを複数の漫画家に依頼して権利関係が複雑そうな『ライブ ア ライブ』がHD-2Dリメイクされたのであれば、この波にのって「アリえるかも!?」と期待したソフトの筆頭だったけれど、続いてリメイクが発表されたのが『ドラゴンクエストⅢ』というのはご存知の通り。「やっぱ、メジャータイトルが先ですよねー」とうつむくしかありませんでした。
「バーチャルコンソール」のゆく末
Switch Online に収録されたバーチャルコンソールのタイトルもいくつかありますが Switch は発売されてすでに6年が経ち、定額サービスとしてソフトの数を増やし続けるのもいずれ限界はくると思うので今後の配信に過度な期待はしない方がよいのではないか、というのが自分のスタンスです。
とくに Switch ではエミュレートだけでなく便利な巻き戻し機能や画面表示が切り替えられたりオンラインプレイへの対応など様々な機能が追加されているので、バーチャルコンソールのソフトをそのまま Switch にもってくれば済むわけではないことも伺えます。
なので今回のニンテンドーeショップ終了とともに「バーチャルコンソール」というフォーマットはひとまず終わり、今後は Switch で配信するための仕様をクリアできるクラシックタイトルがメーカー側の意向もふまえてどれだけあるか?ということが焦点になりそうです。
この世代交代の狭間にこぼれ落ちていくゲームは当然出てくる思われ、それがどれくらいあるのか過ぎてみないと分からない部分は多いですが、今現在配信タイトルを取り巻く状況から推測できる範囲で考えてみたのが今回の投稿でした。
もし遊びたいゲームがバーチャルコンソールにあり、なおかつマイナーであったりROMカセットの入手も厳しいゲームであるならば、いますぐ入手しておくのがやはり最善の選択ではないかと思っています。
ただ、任天堂は後方互換には気を使うハードメーカーでもあるので、次世代の新型 Switch の登場に向けて何かしらの準備をしている可能性も捨てきれず「ニンテンドーeショップの終了は新サービスへの序章に過ぎなかった!」という、わずかな希望(妄想)も捨てきれずにいます。





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