『シックス・ストリング・サムライ』という一部で伝説だった映画が、YouTubeにて無料で視聴できることをご存知ですか?残念ながら日本語字幕や吹替えはありませんが、難解なストーリー展開は一切ないので「あらすじ」に目を通せば英語字幕でも大体分かると思います。

『シックス・ストリング・サムライ』のあらすじ
核弾頭投下後の荒廃したアメリカを舞台に、ギターを担いだ子連れのロックンローラーが様々な敵と対決していく、異色の奇天烈アクション。1957年に核弾頭が投下されソ連に占領されたアメリカ。残された自由の楽園はロスト・ベガスだけ。40年後、ロックンロールを歌いつづけ、その地にキングとして君臨していたエルビスが死んだ。キングの後継者になろうと、世界各地からギターと刀を振り回すロックンローラーたちが集まってくる。黒縁メガネの“バディ”もそうした一人だった。
映画データベース – allcinema
どんな映画なのか
“ソ連の核弾頭投下により”というフリも今や全く笑えないご時世になってしまいましたが、ポストアポカリプスにギターに刀を仕込んだマーシャルアーツの達人が敵を蹴散らし道中で助けた子どもと共に旅をするロードムービーという、概ね「子連れ狼」です。脚本にも参加している主演のジェフリー・ファルコン自身が小さい頃に見た日本映画の「子連れ狼」がお気に入りだと言っているのでその影響は間違いないでしょう。主人公のメガネ姿と名前の「バディ」は歌手のバディ・ホリーから来ているのも荒唐無稽さに拍車をかけていると思います。
監督のランス・マンギアのインタビューによれば、この映画はそもそも卒業制作(!)として始まり資金が底をつきかけたところ、制作会社との契約によりなんとか完成にこぎ着けたという経緯があるそうです。
普通の商業映画として観れば多少チープに映るところはあるかもしれませんが、卒業制作が発端と知ればその無謀すぎるスケールのデカさとそれを実現させた情熱と根性。広げた大風呂敷をしっかり畳んだ(完成させた)ことに敬意を抱かずにいられません。
日本でも1998年に劇場公開されており、公開時のポスターはカネコアツシ、しりあがり寿、本秀康など著名なイラストレーターにより描かれています。主演のジェフリー・ファルコン氏が呼んでないのに勝手に来日して舞台挨拶をしたというのは個人的に大好きなエピソード。
また特筆しておきたいのは全編に渡り音楽が非常に印象深く、これは後に『コンスタンティン』『ワイルド・スピード』シリーズなどを手掛けるブライアン・タイラーによるもので、映画のほかゲームの『OutRun2』『Call of Duty Modern Warfare3』や最近では『F1世界選手権公式テーマ曲』など様々なキャリアを積み上げて大活躍しています。
ゲームへの影響

ちなみにPS2で『サムライウエスタン 活劇侍道』という侍が西部のガンマン達と戦う無茶なアクションゲームがアクワイアから出ているのですが、この主人公の持つ「虎河豚」という刀はこの映画の主人公バディの刀をモデルにしているそうです。実際プレイしたことありますが見た目あんま似てない気も…。
そして待望のBlu-ray化!
長らくDVDだけで再販もされず中古でも若干のプレミアがついてましたが、今年めでたく5月27日にBlu-ray化されることになりました。やっぱり日本語の字幕や吹替えで観たい、きれいな画質で手元に置いておきたいという人(俺)にはまさに朗報。
海外ではすでにBlu-ray化されていたのでようやく日本でも発売されるという流れです。でもジャケットは断然海外版の方がイカす!


小ネタ
劇中に現れる黒ずくめ3人組のひとりを監督自身が演じてます。
関連リンク
- ブライアン・タイラー作曲のアルバム(Amazon Music)
あの実写版ドラゴンボールも。
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.