「PSPのゲームをダウンロードして買う方法 」という投稿を書いていたときにPSストアを眺めていたら、PSPへの移植を最後に音沙汰がとんと無くなったソフトがけっこうあったので、今回はそんな中で「これもったいない!」と思ったソフトを並べてみました。
ディスク版の入手がこの2023年にさほど厳しいわけでもないけれど、お値段的にリーズナブルだったり、ダウンロード版の方が読み込みが早く快適に遊べるソフトもあったりするので侮れません。
『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』
齢345歳の不老不死の男が100年後に訪れるという”大厄災”の予言を受けて、人間の騎士団を率いて滅亡を回避すべく魔物と100年間戦い抜くシミュレーションRPG。人間は寿命が100年に満たないため、子をのこし世代交代していくシステムは『俺の屍を越えてゆけ』を思い浮かべる人も多いと思いますが、こっちは「短命の呪い」とかではなくガチ100年。
手塩にかけたユニットもいずれ老いて戦線を離脱する宿命を負うことになり、死ぬことのない主人公(プレイヤー)は、騎士団の様々な群像を見守りながら戦い続けることになるという、諸行無常の切なさを受け入れる覚悟がいるゲームでもあります。
もとは2003年にPS2から発売されたソフトの移植で、新イベントや難易度選択などが追加。お値段は990円とディスク版の中古相場と比べてもお手頃なので、もし購入を検討するならばダウンロード版がおすすめ。
『クレイジータクシー ダブルパンチ』
街でお客を乗せて時間内に目的地に送り届けるタクシーゲームといえばそれまでなのだけど、車が走れる場所ならどこを走ってもOK!というめちゃくちゃなルール。海のなかも行けたりしちゃう。そして危険な運転をすればするほどお客が喜んでチップをはずんでくれるという世界観がおかしい。
そういうイカレ具合もアメリカ西海岸のような、サンサンと太陽が降りそそぐ陽気なロケーションと相まって気にならなくなり非常に爽快な気分になれます。
元はアーケードから始まったシリーズで、このPSP版は初代と『2』のカップリングタイトル。特に2作目はプレイできる環境がドリームキャストとPSPに限られるのでかなり貴重な1本。
価格は998円。こちらも中古の相場と比べて値ごろ感あります。
『サクラ大戦1&2』
大正時代をベースとしたレトロな世界観に、歌劇の舞台に立つ女優たちが実は秘密部隊のメンバーとしてロボットに乗り込み悪を討つという、パッケージから恋愛シミュレーションと誤解されがちだけど、実は悪の組織のディテールやメカニックへのこだわりなど中身は特撮や戦隊モノに近く、その王道ともいえるストーリーは好きな人には刺さるはず。
アドベンチャーパートとシミュレーションパートが交互に展開し、TV放送のように1話づつ区切られて「次回予告」まで流れるので非常にテンポがよく、先が気になる工夫は当時としてかなり画期的だった。どこか『帝都物語』に通じる混沌とした怪しさがあるのも個人的に好きなポイントです。
セガサターンからの移植で、カップリングとしてまとめられたのはPSPのみ。ダウンロード版の方が読み込みが早く価格は1980円。
『真・女神転生 デビルサマナー』
主人公は探偵業を営みながら、裏で悪魔召喚士として街で起こる様々な怪異事件を解決していくという、それまでのシリーズとはちょっと違う路線のハードボイルドな女神転生。
1995年にセガサターンからリリースされ、次作の『ソウルハッカーズ』はプレイステーションや3DSに移植されながら、この1作目だけはPSPのみ。
多少古さは否めないところがありつつも、移植に際してはロード時間が短くなりシステム面含めて難易度の調整など遊びやすくチューニングされているので、サターン版と2択しかないことを考えれば2420円とやや高めなお値段も、携帯機であることも含めてお手軽かなと。
個人的には『ソウルハッカーズ』も素晴らしいのだけど、このテイストの続編をいまだ強く希望しております。
『Persona』『PERSONA2 罪』『PERSONA2 罰』
プレイステーション(以下、PS1)で発売されたペルソナシリーズ初期3作のリメイク。ユーザーを広げた『ペルソナ3』『4』の後にリリースされたこともあってイメージの統一がはかられて、インターフェースや楽曲などがポップでおしゃれなものに変更されたのが大きな特徴。PS1をプレイした人間からするとボーカル入りのBGMには驚いた。
そもそも『ペルソナ3』以降からシリーズに入った人に向けてのリメイクなため、まだプレイしたことがないならば違和感もないと思います。
“コックリさん”のような学校で流行ったささやかな占い “ペルソナ様” がことの発端だったり、シリーズの意外なルーツが分かるので興味がある人はぜひ。『PERSONA2』からはBGMがオリジナル版と切り替え可能になるので聴き比べるのも一興かと。
この3作は移植というより正確には “リメイク” なのですが、『ペルソナ3 ポータブル』が Switch や PS4 へ移植され、Xbox Games Showcase にて『ペルソナ3 リロード』が発表されたのをみるに、会社の方針として今後この初期3作は埋もれていく気配がビンビンするのであえてピックアップしました。
リメイク元となるPS1版はゲームアーカイブスでは配信されおらず、ダウンロード版の選択肢はこのPSPのリメイク版のみ。2021年には価格が改定され全て980円になったので、希少性も含めてかなりお買い得だと思います。
掘り出し物はまだまだある
PSPはPS1や他機種からの移植も積極的に行っていたこともあり、続編がその後つくられず最終作となってしまったソフトが結構あるため、中古ショップをのぞくように懐かしい掘り出し物に出会えたりすることが多いです。
レトロゲームブームのせいかディスク版と比べてダウンロード版の方が安い場合も多々あるので、「PSPのソフトなんか遊びたい!」と思ったらまっ先にPSストアのラインナップを確認してみることをおすすめします。
ダウンロードソフトは売り切れることはないですが、PSストア自体が無くなるのではないかという危機感を持つ人間として、オールドゲームファンは早めにチェックしておいて損はないでしょう。




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