Nintendo Direct 2023.9.14 でフルリメイクの発表を知って懐かしくなり、過去作『アナザーコード2つの記憶』とその続編『アナザーコード:R 記憶の扉』を連続プレイするという “アナザーコードマラソン” を敢行してしまいました。(照)
ずいぶん前のゲームなので昔よんだミステリー小説のごとく謎解きもスッパリ忘れ、当時の感動もよみがえったのでリメイク元となったゲームがどんなだったのか簡単にふり返っておこう思います。
プレイしたことはないけどトレーラーをみて興味を持った人や、むかし遊んだけどあんま覚えてない人もざっくり参考になるやもしれません。
もちろん結末を語るようなネタバレはなしです。
DS『アナザーコード2つの記憶』をふり返る
ニンテンドーDSソフトとして2005年に発売されたので、はや18年前のゲームになります。
主人公は翌日に14歳の誕生日を迎えようとしているアシュレイという女の子。
3歳のとき両親は交通事故で亡くなったと聞かされていたところに、突然父親と名乗る人物から小包が届けられます。
その小包には初代ニンテンドーDSにとてもよく似たデバイスと「誕生日を一緒に過ごそう」というメッセージが。
そのメッセージに記されたブラッド・エドワード島へ、育ての親である叔母とともに向かう船上から物語は始まります。
トレーラー冒頭で船長さんにアシュレイが起こされているシーンがそれですね。
ただ、このブラッド・エドワード島というのが、住んでいた家族がある日を境に次々と不幸に見舞われ無人島になってしまった『血塗られたエドワード家の島』などと呼ばれるいわくつきの孤島。
ホラーゲームが苦手な人はこう書くと食指が動かなくなりそうですが、窓を割ってゾンビが入ってきたり、鮮血が飛び散る惨劇は起ったりはしないので大丈夫。でも少年のゴーストは出てくるけども。
そのゴーストも人を呪ったりはせず、自分がなぜ死んだのか生きていたときの記憶をなくし、さまよい続けているところ島にやってきたアシュレイと出会って、自分の記憶を取り戻す手伝いをお願いします。この島にいる幽靈ということは、もちろんエドワード家と因縁があるわけで。
そしてアシュレイ自身も、幼い頃のおぼろげな記憶からくり返しみる夢があり、なぜ両親は死んだことにされたのか?という記憶の奥底に隠された、ある事件の真相を少年のゴーストとともに解き明かしていくことになります。
タイトルの「2つの記憶」はアシュレイとゴーストの記憶であり、2人がだんだんと打ち解けていく姿はバディもののようで、そういうお話が好きな人はより楽しめると思います。
ちなみにDS版の公式サイトは今も存在し、今作の前日譚となる「アシュレイの日記」が読めます。
特に2月21日の日記「もうすぐバースデー」で、叔母のジェシカから誕生日プレゼントを断る件は小ネタとして覚えておくとよいかもしれません。リメイク版に盛り込まれるかは分からんけども。
Wii『アナザーコード:R 記憶の扉』をふり返る
続いてハードをWiiに移して2009年に発売された2作目。Wiiならではのリモコンをフル活用するゲームでした。
前作から2年が経ち16歳になったアシュレイ。
ブラッド・エドワード島から無事もどったのもつかの間、父親は仕事でまた家にいなくなり半年も顔を合わせていない状態に。そこへ再び父から小包が届きます。
中にはニンテンドーDSiぽい見た目のデバイスとジュリエット・レイクという湖畔でのファミリーキャンプの招待状が。(既視感)
「よくいなくなる父親だな!!」と思いますが、それにはまあ理由もあって…。
前作の孤島に続き湖畔のキャンプ場となると、ホラー映画定番のロケーションでホッケーマスクの大男が頭をよぎりますが、血みどろな事件は起きないので引き続きホラーが苦手な人にもおすすめできます。
舞台がキャンプ場になったことで登場人物も多くなり、アシュレイと同世代の子ども達も登場して、どこかティーンムービーっぽさもあると思いました。
行方不明になった父親を探す家出少年と仲良くなったり、いかにも高飛車でイジワルそうな女の子が登場したりと人間関係はより多彩になっていきます。
そして、最初はしぶしぶキャンプに参加するアシュレイでしたが、このジュリエット・レイクに来たことが初めてではないことを突然思い出します。
幼いころ自分が母親に手を引かれて訪れたジュリエット・レイクの記憶がフラッシュバックしたのを始まりに、今作はアシュレイが両親と別れる3歳よりも前に起きた出来事がテーマとなり、その記憶の深層に刻まれた断片を集めることでストーリーが展開していきます。
前作『2つの記憶』できれいに終わった印象があったので、続編を作るために話を無理やり広げたのでは?と少し疑ったりしましたが、「前作は序章に過ぎなかった!?」とよくあるキャッチコピーが浮かぶほど、物語はさらに深く掘り下げられ、アシュレイは新たな真実に直面することになります。いやほんとお見事なシナリオでした。
ちなみにストーリーにはあまり絡まないんですが、アシュレイを育てた叔母のジェシカがメガネでツリ目という個人的にグッとくるキャラクターでした。高校の化学の先生という設定もイイネ!
『アナザーコード』ならではの特徴
ミステリー系のアドベンチャーゲームで、主人公が探偵でも刑事でもなく13歳や16歳の普通の女の子というのはけっこう珍しいと思われます。
人の心が読めたりするような特殊な能力があるわけでもない、10代の多感なアシュレイが色んな困難に立ち向かい、ひたむきに頑張る姿はいい大人になった自分から見ると「なんて健気でええこなんや!」と応援したくなることしきりです。
また、家族を軸に友達や職場の同僚など人間ドラマが描かれるのも、海外ドラマやジュブナイル映画を観る感覚に近く、そういうジャンルが好きな人には刺さるのではないかと思います。
謎解きも部分も選択を急かされたり、間違えたら即バッドエンドということもなく、プレイヤーのペースで進められるのも良いところで、じっくりとストーリーを追いかけてほしいという意図を感じました。
フルリメイクで楽しみなところ
DSのタッチスクリーンや Wiiリモコン など、ハードの特徴を活かしたゲーム性は当時ほかにない面白さがあったので、そこを Switch にどう落とし込むのか非常に楽しみなところです。
加えてキャラクターボイスが入り、謎解きも一新。とくに3Dマップで自由に散策できるとなるとプレイしたことのある人間にとっては、あの孤島を!?あの湖畔を!?と夢ふくらみます。
ハードの表現力が上がったことでストーリーは同じでも、印象も変わってくるような気がしますね。
2023年の秋も深まった今頃に「このゲームがリメイクされるなんて思いもよらなかったなあ」とタッチペンでこすったり、Wiiリモコンを振り回したりするのは、未来から来た人間みたいで(?)なかなか楽しい体験だったんで、もしまだソフトやハードが手元にある人は、リメイク発売までに予習も兼ねてもう一度プレイしてみるのもおすすめです。
あと『アナザーコード:R 記憶の扉』のラストは続編もありえそうな終わり方だったので、このリメイクは新作に向けての布石かも!?と期待してしまうところも大いにあります。
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