昨年に「PSPへの移植が最後となったダウンロードソフト in 2023」という投稿をしたんですが、その後もう一度 PS3 の PSストア を見直したら「まだあるやんけ」と、追加したいソフトがボロボロ出てきたので改訂版としての再投稿となります。
PSPは他機種からの移植も積極的に行われていましたが、その移植を最後にプッツリと音沙汰がなくなり、現行機では遊べなくなったソフトがけっこうあります。
ハードをまたいでゲームが移植される理由は、やはり売上や評価が高かったからであり、言わば良作としてお墨付きのようなもの。まだダウンロード配信がされて入手可能ならば、ふり返ってみる価値は大いにあると思った次第です。
移植に際して、グラフィックの向上やバランス調整など、チューニングが加えられ遊びやすくなったものも多く、追加要素もあったりするので完全版と言っても過言ではないでしょう。その中から、これから先も移植の可能性が低そうなソフトをピックアップしてみました。
『ロックマンDASH』『ロックマンDASH2』
「ロックマン」といえば 2D横スクロールアクション のイメージですが、1997年と2000年に PS1 から発売されたこの2本は、初めて 3Dアクション となったロックマン。オープンワールドとはいかないまでも、3D化されたダンジョンや街を自由に散策するロックマンの姿はかなり新鮮です。
物語の舞台は、陸地のほとんどが海に沈んだ未来の地球。残された超文明の古代遺跡に潜り込み、その謎に迫るというシリーズの中でもガラッと世界観が変わってます。何より今回のロックマンはロボットではなく、遺跡で赤ん坊のとき拾われた人間という設定。相棒のロールちゃんもロックマンを拾ったおじいさんの孫娘です。加えていうと、ロックマンとロールちゃんの声優さんが 田中真弓 & よこざわけい子 のコンビという。このお二人にピンときたらストーリーの雰囲気が伝わるかもしれません。
さらにダウンロード版は価格がそれぞれ 500円 のワンコインプライスなのも特筆したいところ。中古ディスクよりも断然お安いので、購入するならダウンロード版がおすすめです。セットで 1000円 やで!
『ブレス オブ ファイアIII』
アクションゲームの老舗カプコンが初めて手掛けたRPGのシリーズ3作目が PS1 から移植されました。このシリーズは1993年にスーパーファミコンから始まり、前作となる『I』『II』は、 カプコンタウン でブラウザ上でプレイできたり、Nintendo Switch Online から配信されていたりします。
滅んだとされた竜の一族の末裔が主人公というヒロイックな設定はRPGの王道どまん中。3作目となるとシステム面もより洗練され、PS1の恩恵でフィールドがポリゴン化されました。
「いきなり3作目から遊んでついて行けるん?」と思うかもしれませんが、世界観は共有しつつも、ストーリーは独立しているので置いてけぼりになることはないでしょう。
価格も『ロックマンDASH』と同じくワンコインの500円。カプコンの PSPソフト は500円で配信されているものが割とあるので、探してみるのもおすすめです。
『MISSINGPARTS the TANTEI stories Complete』
幼いころ両親を亡くした事故を調べるうち探偵となった主人公が活躍するミステリーアドベンチャーで、骨董品(アンティーク)をモチーフに事件が展開していきます。シュッとした見た目(ジャケ絵)と裏腹に、お人好しで貧乏くじをよく引く主人公の性格は親近感がわくので、シリアスなストーリーも入り込みやすいと思います。
2002年にドリームキャスト から発売されたときディスクは 3枚 に分かれてリリースされたのが、PS2 に移植されたときにディスク 2枚 になり、PSPでようやく 1枚 にまとめられました。さらにPSP版では追加シナリオも収録されたので、完全版といってよいでしょう。
システム部分に多少の古さを感じるかもしれませんが、3つのハードを渡り歩いたシナリオの強度は確かなものです。
価格は2305円。ディスク版は今でも手に入りやすい方ですが、ダウンロード版の方がリーズナブルかと思います。
『ブランディッシュ~ダークレヴナント~』
賞金稼ぎの男(プレイヤー)が肌をやたら露出した女魔道士(ジャケ絵の女性)に因縁をつけられたあげく、地下ダンジョンに落ちてしまい、地上を目指すことになるアクションRPGで、パソコンゲームとして1991年に日本ファルコムからリリースされました。
「アクション」ですが、ダンジョンの盤面の上をひとマスずつ移動するタイプなので、敵と接触するタイミングの駆け引きはあれど、複雑なコマンド入力はないため、アクションが苦手でも落ちついてプレイできると思います。
落ちた地下迷宮が実は1000年前に竜の呪いで沈められた国だとか、女魔道士に追いかけられる理由など、設定は入り組んでるものの、ゲームで語られるストーリーは薄味で、それよりも広大なダンジョンを探索し、魔物を倒してトラップを避け宝箱をあさり、未開のマップをひたすら埋めて「踏破率」を上げていく、黙々と攻略するのが好きな人におすすめです。このストイックな感じはパソコンゲームゆずりの特徴かと思います。
地下にもしっかり人が住み着いてお店があり、「話す」ことで世界観を知ることができるので、まったく味気のないものにもなってません。
価格は3080円。ディスク版も今のところ似たような価格帯ですね。
『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション』
「えっ、FF4てめっちゃ移植されてるやん!」と言いたくなるのは分かります。単体なら確かにそうなんですが、以下の3つがセットになっているのがちょっと特殊なところ。
- ファイナルファンタジーIV
- ファイナルファンタジーIV Interlude
- ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還-
本編『IV』 と、その外伝的続編『THE AFTER YEARS -月の帰還-』のカップリングに、その間をつなぐ『Interlude』という新規エピソードが追加してリリースされたのはPSPのみ。これ一本で『IV』が網羅できてしまう、その名の通りコンプリートなコレクションなわけです。
『IV』単体ならば今後も色んなプラットフォームに移植されそうですが、この3つがセットになることはこの先ないかと思います。
追加エピソードの『Interlude』(インタールード)は名前の通り本編と続編のつなぎのストーリーなためボリュームは控えめ。そのせいもあって単体でリリースされることはまずないでしょう。
ダウンロード版の価格は2200円。中古相場も同じような価格なため、気になった人は中古ショップに行ったときチェックするのが吉です。
『俺の屍を越えてゆけ』
ときは平安時代。鬼に短命の呪いをかけられ、成長が早い代わりに2年以内に寿命が尽きることとなった一族が、神々と共に世代交代を重ね、呪いをかけた悪鬼を討つという、血筋を育てる異色のRPGです。奇抜なタイトルなので名前だけ聞いたことがある人も多いはず。
寿命でキャラクターがロストする要素には面食らいますが、世代を重ね家系が継がれていく様を俯瞰できるようになると、他のRPGでは味わえない魅力があると思います。ひとりの勇者で完結しえないゲームシステムは独特。
PS1 から1999年にリリースされ、PSPへの移植にあたってはグラフィックを一新。バランス調整のほか追加要素など、かなり手が加えられました。なのでPS1をプレイ済みの人も、新鮮に遊べるのではないかと思います。元となったPS1版もゲームアーカイブスで配信されてるので、遊び比べるのも一興かも。
ダウンロード価格は1466円。
PlayStationのサブスク特典である クラシックスカタログ に2024年4月16日に追加され、単体での購入もできるようになってました。バージョンもPSP版。価格は1100円で「巻き戻し」「クイックセーブ」など、攻略に便利な機能も追加されているので、PSPにこだわりがなければ現行機の方がおすすめ。投稿した後に気が付いた次第デス……。(2024.04.30)
『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』
100年後に訪れる大厄災の予言を受けて、齢345歳になる不老不死の男が人間の騎士団を率いて滅亡を回避すべく、突如あらわれた魔物と100年を戦い抜くというシミュレーションRPGで、2003年に PS2 から発売されました。
人間の寿命は100年に満たないため、仲間たちはいずれ戦線を離脱し入れ替わっていくことになりますが、死ぬことのない主人公は騎士団のその姿を見守りながら戦い続けることになります。
団員同士が結婚して子供が生まれる要素もあり、世代交代のシステムは『俺の屍を越えてゆけ』に通じるところもありますが、こちらは「短命の呪い」ではなくガチ100年。
味方の「隊列」を前から後ろにローテーションして戦うバトルシステムが特徴(動画 0:45 あたりから解説あり)で、ユニットの特性が隣り合うマス目に影響し合うため、入れ替わることを想定して配置を工夫するところなど、駒と棋盤のような見た目もあって、詰将棋ぽいところがあります。
PSP版では新たにイベントが追加されたり、難易度設定もできるようになったりして価格は990円。ディスク版の相場と比べるとお値ごろ感アリます。
『クレイジータクシー ダブルパンチ』
初出は1999年にアーケードから始まり、続編『2』は ドリームキャストのオリジナルタイトルとして2001年にリリースされました。その2本がセットとなって PSP にやってきたのがこの “ダブルパンチ” 。
お客をオープンカーのアメ車に乗っけて、時間内に目的地に送り届けるゲームといえばそれまでですが、走れる場所が道路だけとは限らず、客を乗せたまま海の中に突っ込むことも可能。さらに危険な運転をするほどチップをはずんでくれます。車はぶつけても壊れたりせず、歩道に乗り上げても通行人が超反応で避けてくれるので事故もなし。
アメリカ西海岸のように太陽がサンサンと降りそそぐ陽気なロケーションとあいまって、レースゲームとはまた違う爽快な気分が味わえます。まあ最初はタイムリミットが割りと厳しく感じるんですが。
特に『2』が移植されたのは PSP のみなので貴重な1本といえるでしょう。価格は998円。
2023年12月に開催された『The Game Awards 2023』では、待望の続編が発表されました。
『サクラ大戦1&2』
1996年に セガサターン から発売された『サクラ大戦』と、1998年発売の2作目のカップリング。こちらも2本セットになってリリースされたのは『クレイジータクシー』と同じく PSP のみ。
大正時代を模したレトロな世界観に、女優として歌劇の舞台に立ちながら秘密部隊のメンバーとしてロボットに乗り込み悪を討つという、女の子がたくさん登場するので恋愛アドベンチャーぽく見られがちですが、実際は特撮や戦隊モノの味わいに近く、そっちのジャンルが好きな人に遊んでほしい1本です。もちろん女の子とも仲良くなれちゃいますけども。
隊員とコミュニケーションをはかるアドベンチャーパートと、ロボットに乗って戦うシミュレーションパートが交互に展開し、TVアニメのように1話づつ区切られ「次回予告」まで流れるので非常にテンポもよく、続きが気になる工夫が随所にされています。どこか『帝都物語』に通じる混沌とした怪しさがあるのも、個人的には魅力的なポイント。
シュミレーションパートは一手のミスでユニットが撃破されたり総崩れになるほどシビアなバランスではないため、苦手な人も安心して遊べると思います。
価格は1980円。ダウンロード版は読み込みが早い利点があるので、中古価格を考慮してもダウンロード版の方がおすすめです。
『真・女神転生 デビルサマナー』
『デビルサマナー』シリーズ第1弾として セガサターン から1995年にリリースされ、2作目の『ソウルハッカーズ』は プレイステーション や 3DS にも移植されましたが、1作目の移植はPSPのみでした。
主人公は探偵を営みながら、裏で悪魔召喚士として街にはびこる怪異事件を解決していくという、これまでとはちょっと違ったハードボイルド路線が魅力的です。
PSP版ではロード時間が短くなり、難易度の調整などされて遊びやすくなっているので、今からプレイするならPSP版の方がよいでしょう。
どこか「必殺仕事人」の風情がある、このテイストの女神転生をいつかまた出してくれないか、個人的に強く希望しております。価格は2420円。
『Persona』『PERSONA2 罪』『PERSONA2 罰』
『ペルソナ3』が現行機でリメイクされましたが、『3』より前のペルソナが話題になることは少なく、どこで売ってるのか知らない人も多いかもしれませんが、こちらで売っておりますよ。
この初期3作は、元は PS1 からリリースされ、当時は女神転生シリーズからのスピンアウトとしての特徴が強く、『3』以降のシリーズとはだいぶ雰囲気やシステムも違っていました。それがPSPにハードを移すとき、すでに『ペルソナ3』『4』が発売された後だったこともあって、シリーズのトーンを合わせるためインターフェースや楽曲などがポップでおしゃれなものに変更された経緯があります。なので『ペルソナ3』以降から入ったひと向けと言ってよいでしょう。
この「ペルソナ3より前のペルソナ」については、以前ガッツリ投稿したので、お時間あるときにでもドゾ。
移植元となったPS1版はどのハードからも配信はされておらず、ダウンロードに頼る場合はこのPSP版のみとなります。
価格はすべて980円。中古では高額になってきているため、ディスクを買い求めるよりもダウンロード版が断然おすすめです。
『プリンセスクラウン』
先月リリースされた『ユニコーンオーバーロード』も好評な アトラス × ヴァニラウェア のタッグが始まるきっかけとなったソフト。13歳の若き王女がゴツい剣をブン回す剣と魔法のアクションRPGで、セガサターン から1997年に発売されました。
精細で美麗なドットグラフィックと細やかなモーションは当時から飛び抜けていて、キャラクターが格闘ゲームほど大きいのも相まって、画面せましと動き回る姿はかなりインパクトがあります。すでにこのときから「料理」要素があるのも見逃せないところ。
実は、2019年に発売された『十三機兵防衛圏』というタイトルの先着購入特典として PS4 から配信されたことがあるんですが、単体では購入できないため今回の投稿に入れときました。将来的にも有償配信はないとされているので、特典を逃した人は検討してみる価値はあるでしょう。
価格は2420円。中古も今のところ似たような値段ですね。
PSPのダウンロードソフトを購入するために必要なもの
PSPは古いハードなため、本体ひとつあればソフトが購入できるわけではないのが少しメンドウなところ。利用するのに必要なものをリストアップしてみました。
- PS3本体(もしくはPS Vita)
PSPの PSストア はすでに終了済み。PS3(PS Vita)の PSストア からのみ配信されているため、PSP 以外のゲーム機が必要となります - PlayStation Network アカウント
PS3(PS Vita)はカード決済などすべて終了済み。そのためパソコンなどから自分の PSNアカウント の ウォレット に チャージ(入金)する必要があります。するとPS3(PS Vita)のウォレット残高が増える仕組みです - PSP本体
ソフトを購入すると PSP のダウンロードリスト(※要ログイン)に追加されるので、そこから本体にダウンロードしましょう。PS Vita はPSPソフトも動くのでPSPはなくても大丈夫
もう少し具体的な手順は、以前投稿したことがあるので参考までにドゾ。
掘り出しものを探す楽しさがこのPSストアにはある
今回は移植にしぼった投稿でしたが、もちろんPSPオリジナルのソフトも配信されているので、ストアにアクセスできる環境があるならば、今一度チェックしてみることをおすすめします。オールドゲーム好きならば、今ではあまり見かけなくなった古いゲームショップにいるような懐かしさとワクワクが味わえることうけ合い。俺のように。
昨今はレトロゲームが注目されていることもあってか価値が高まり、中古でディスク版を買い求めるより、定価のダウンロード版の方が安いという現象も起こっています。傷など中古にありがちな劣化の心配がなかったり、面倒なディスクの入れ替えがないのも、ダウンロード版の良さですかね。
在庫切れはダウンロードソフトには起こりませんが、PS3 や PS Vita はもはや過去のハードなので、PSストアがクローズする可能性は十分ありえます。もし興味が湧いたなら、早めにチェックしておくことをおすすめします。
お便りを送る